排水口の髪が、ある日から急に増えた

急に抜け毛が増えたときは、頭皮の状態だけでなく、2〜3か月前に体に何が起きていたかを振り返ることが原因を探す近道です。

シャンプーのたびに、指の間に髪がからみつく。排水口にたまる量が、明らかに以前と違う。枕やブラシにも抜け毛が目立つ。頭皮を触るとべたつき、かゆみやフケもある。こうなると、多くの方は「毛穴に脂が詰まって、髪が押し出されているのでは」と考え、念入りに洗ったり、頭皮用のクレンジングを試したりします。

髪は毎日一定の量が抜け、生え変わっています。通常は1日に50〜100本ほどが抜けるとされ、これは毛の寿命による自然な抜け毛です。この量が短期間に大きく増えたとき、何かが毛の生え変わりの周期を乱しています。

その原因は、頭皮の脂や炎症だけではありません。むしろ急な抜け毛では、頭皮以外の原因が隠れていることが多くあります。原因を取り違えると、対策が逆効果になることもあるため、まず仕組みから整理します。

急に抜け毛が増えるとき、体の中で起きていること

急な抜け毛で最も多いのは、体調や生活の大きな変化をきっかけに、伸びている途中の毛が一斉に休む段階へ移る休止期脱毛です。

髪には、伸び続ける成長期、成長が止まる退行期、抜けるのを待つ休止期という周期があります。高熱を伴う病気、出産、手術、急な減量、強い精神的ストレスなどが起こると、成長期の毛の一部が予定より早く休止期へ移ります。休止期の毛が抜けるのは、およそ2〜3か月後です。そのため、きっかけを忘れた頃に抜け毛が急に増えます。これを休止期脱毛と呼びます。きっかけが取り除かれれば、多くの場合は数か月から半年ほどで落ち着いていきます。

次に、頭皮の炎症が関わる抜け毛があります。代表的なのは脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)です。皮脂の多い場所で、皮膚に常にいるカビの一種が増え、赤み、かゆみ、黄色っぽく湿ったフケを伴う炎症が起こります。毛を包む毛包(もうほう)のまわりで炎症が続くと、毛の周期が乱れ、抜け毛が増えることがあります。カラー剤やパーマ液によるかぶれ、頭皮の細菌感染や真菌(カビ)の感染も、炎症と抜け毛の原因になります。

ほかにも、円形脱毛症のように免疫の働きで急に抜ける脱毛や、甲状腺の病気、鉄の不足、薬の影響による抜け毛もあります。急な抜け毛には、これだけ多くの入り口があります。

「脂詰まりで髪が抜ける」は、半分正しくて半分違う

毛穴に詰まった脂が髪を押し出して抜けさせる、という説明には医学的な根拠が乏しく、問題になるのは脂そのものより、脂をきっかけに起こる炎症です。

皮脂は、頭皮と髪を乾燥や刺激から守るために欠かせないものです。毛穴の皮脂が固まった角栓が、髪の成長を止めたり、髪を押し出したりする仕組みは確認されていません。

一方で、皮脂が多い状態は、脂漏性皮膚炎のような炎症が起こりやすい環境になります。炎症が抜け毛に関わるのは、この経路です。また、男性型脱毛症(AGA)の方は頭皮の皮脂が多い傾向があります。これは、皮脂腺と毛包がどちらも男性ホルモンの影響を受けるためで、脂が薄毛を起こしているわけではありません。脂っぽさと薄毛が同時に進むため、脂が原因に見えやすいのです。

ここで気をつけたいのが、脂を取ろうとする対策の逆効果です。1日に何度も洗う、爪を立ててこする、ブラシで強く角栓をかき出す、刺激の強いクレンジングを繰り返す。こうした洗い方は頭皮のバリアを傷め、かえって炎症を悪化させます。

自分の抜け毛がどれに近いかは、次の4つで見当がつきます。

抜け毛が増える2〜3か月前に、高熱、出産、手術、急な減量、強いストレスなどがあった
頭皮に赤みやかゆみがあり、黄色っぽく湿ったフケやかさぶたが続いている
抜けた毛の根元に、白く小さな丸い膨らみが付いている
円形に抜けた部分や、境目がはっきりした脱毛部分がある

1つ目と3つ目に当てはまる場合は、休止期脱毛の可能性が高いと考えられます。根元の白い膨らみは、周期を終えて自然に抜けた休止期の毛の特徴です。2つ目に当てはまる場合は、頭皮の炎症が関わっています。4つ目に当てはまる場合は、円形脱毛症など別の原因が考えられます。2つ目と4つ目は、まず皮膚科で確認を受けてください。

頭皮の炎症を抑え、これから生える髪の環境を整える

対策の基本は、頭皮を守りながら清潔に保つことと、抜け毛のきっかけになった体の負担を取り除くことです。

洗髪は1日1回を目安にし、ぬるめのお湯で、指の腹を使ってやさしく洗います。すすぎは洗う時間より長めに行い、シャンプーを頭皮に残さないようにします。洗ったあとは、根元から早めに乾かしてください。湿ったままの頭皮は、カビが増えやすい環境になります。角栓を取るためにこすったり、ブラシで強くかき出したりすることは避けます。カラーやパーマのあとにかゆみやヒリヒリ感が出た場合は、同じ薬剤を続けないでください。

フケやかゆみ、赤みが続く場合は、皮膚科で脂漏性皮膚炎などの確認を受けてください。炎症に合わせた薬や薬用シャンプーで落ち着くことが多い状態です。休止期脱毛が疑われる場合は、睡眠と食事を整え、たんぱく質や鉄、亜鉛を不足なく摂ることが回復の土台になります。

Re-Aneでは、頭皮の赤みやフケの有無、抜けた毛の状態、毛の太さのばらつき、頭皮の硬さ、頸部と肩の緊張、睡眠や生活の変化を確認します。頭皮に赤みやただれがある場合は皮膚科での治療を優先していただき、炎症が落ち着いてから施術を行います。そのうえで、頭皮への刺鍼を中心とした育毛鍼で頭皮の血流の改善を図り、これから生える髪の環境を整えていきます。施術によって緊張がゆるみ、睡眠に反応がみられる方もいます。

次の場合は、早めに皮膚科を受診してください。円形に抜けた部分がある、短期間に束で抜ける、頭皮に強い痛みや膿、かさぶたがある、眉毛やまつ毛も抜けてきた。動悸、急な体重の変化、強い倦怠感を伴う場合は、甲状腺など内科的な原因の確認も必要です。新しく飲み始めた薬がある場合は、処方した医師に相談してください。

品川区上大崎、目黒駅から徒歩4分のRe-Aneでは、火曜と水曜に育毛専門スタッフが育毛鍼灸を担当しています。目黒駅や品川区で育毛鍼灸を検討している方、急な抜け毛のあとに髪を育て直したい方は、ご相談ください。

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■ この記事を書いた人

榎園 高一郎(えのきぞの こういちろう)
鍼灸整体院 Re-Ane 院長

【国家資格】
鍼灸師/あん摩マッサージ指圧師

【関連資格】
JCR登録カイロプラクター/NESTA-PFT/登録販売者/毛髪診断士

歯科法人が運営する鍼灸マッサージ院で歯科医師と連携し、顎関節症と食いしばりを多数担当。訪問マッサージや姿勢矯正専門院での臨床を経てRe-Aneを開院。自身も長年の腰痛に悩んだ経験から、痛みは患部だけの問題ではないという考えに至る。

現在は顎関節症と食いしばり、慢性腰痛、坐骨神経痛、発毛促進を目的とした育毛施術を専門としている。

鍼灸整体院 Re-Ane
東京都品川区上大崎2-18-25 目黒三田フラワーマンション604
目黒駅から徒歩4分/完全予約制

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