抜け毛は増えていないのに、地肌が透けてくる

髪の本数が変わらなくても、1本ずつが細くなれば薄毛は進みます。

排水口の抜け毛は以前と同じくらい。それなのに、分け目が広く見える。セットしてもボリュームが出ない。照明の下で頭頂部の地肌が透ける。薄毛の相談では、こうした訴えが少なくありません。

髪のボリュームは本数だけで決まりません。毛の断面積は直径の2乗に比例するため、直径が半分になると、同じ本数でも面積は4分の1になります。本数の変化より先に、太さの変化が見た目に表れます。

この「太かった毛が、細く短い毛へ置き換わっていく」現象を、毛包のミニチュア化と呼びます。毛包は、皮膚の中で髪をつくる袋状の組織です。毛包そのものが小さくなり、そこから生える毛も細く、短く、色の薄いものへ変わっていきます。

ミニチュア化は、男性型脱毛症(AGA)と女性型脱毛症(FAGA、FPHL)の中心にある変化です。抜け毛の多さではなく、毛が育たなくなることが本質にあります。

毛包の中で起きていることと、影響の強い原因

ミニチュア化の中心にあるのは、毛をつくる指令役である毛乳頭が小さくなり、成長期が短くなることです。

毛には、伸び続ける成長期、成長が止まる退行期、抜けるのを待つ休止期という周期があります。頭髪の成長期は通常2〜6年ほど続きます。ミニチュア化が進むと、この成長期が数か月単位まで短くなり、毛は太く長く育つ前に抜けるようになります。さらに、毛が抜けてから次の毛が生えるまでの空白期間も延びていきます。

毛の太さは、毛包の底にある毛乳頭の大きさとほぼ比例します。毛乳頭が縮むと、つくられる毛も細くなります。周期を繰り返すたびに少しずつ小さくなり、最終的には産毛のような毛しか生えない状態に近づきます。

ミニチュア化に関わる要因を、影響の強さの順に並べると次のようになります。

1.男性ホルモン(DHT)と、それに対する遺伝的な感受性
2.加齢
3.毛包周囲の慢性的な微小炎症と線維化
4.毛包周囲の血流の低下
5.喫煙、睡眠不足、強いストレスなどの生活要因

1は確立した原因です。男性ホルモンのテストステロンは、5αリダクターゼという酵素によって、より強力なジヒドロテストステロン(DHT)に変わります。DHTが毛乳頭の受容体に結合すると、成長期を短くする信号が出ます。前頭部や頭頂部の毛包はこの影響を受けやすく、後頭部の毛包は受けにくい性質を持っています。どの程度影響を受けるかは、遺伝的な感受性によって大きく変わります。

2の加齢でも、毛包は少しずつ小さくなります。男性ホルモンの影響がなくても起こる変化です。

3と4は、ミニチュア化した毛包の周囲で多く確認されている変化です。微小な炎症が続くと毛包のまわりが線維化し、硬くなっていきます。ミニチュア化が進んだ毛包では、周囲の毛細血管も減っています。ただし、血流の低下が原因なのか、毛包が小さくなった結果なのかは、まだ明確に分かっていません。進行を後押しする要因と考えるのが妥当です。

5は、薄毛の進行度との関連が観察研究で報告されている段階です。単独でミニチュア化を引き起こすというより、ほかの要因に重なって影響する位置づけです。

抜け毛対策だけでは、ミニチュア化は止まらない

ミニチュア化は「抜け毛を減らす」発想では捉えきれず、毛の太さで判断する必要があります。

薄毛が気になると、多くの方は抜け毛の本数に注目します。けれども抜け毛が急に増える状態の多くは、休止期脱毛と呼ばれる別の現象です。急な食事制限、高熱、出産、強いストレスなどをきっかけに、2〜3か月後に一時的に抜け毛が増えます。原因が去れば回復することが多く、毛の太さは保たれます。

ミニチュア化は反対に、抜け毛が目立たないまま静かに進みます。気づいたときには数年が経過していることも珍しくありません。

自分で確認する目安は、毛の太さのばらつきです。後頭部の毛と頭頂部の毛を指でつまんで比べてみてください。頭頂部の毛が明らかに細く、柔らかい場合は、ミニチュア化が進んでいる可能性があります。抜け毛の中に、短く細い毛が多く混じっているかどうかも手がかりになります。成長期を全うできずに抜けた毛です。

もうひとつ知っておきたいのは、時間との関係です。毛包が小さくなっていても、毛包そのものが残っていれば、太さを取り戻せる余地があります。一方、長い年月をかけて線維化が進んだ毛包は、回復が難しくなると考えられます。早い段階で対処するほど、選べる手段は多く残ります。

男性ホルモンが関わるミニチュア化に対しては、医療機関で処方される5αリダクターゼ阻害薬や、ミノキシジル外用薬が、診療ガイドラインで強く推奨されています。進行の主な原因に直接はたらく手段は、現時点ではこれらの治療です。食事や頭皮ケアでDHTの作用そのものを止めることはできません。

日々の対策と、Re-Aneが確認していること

日々の対策は、毛包に余計な負担をかけない環境を整え、医療の治療が力を発揮しやすい土台をつくることにあります。

頭皮の炎症を放置しないことは、自分でできる対策のなかでも優先度が高いものです。フケ、かゆみ、赤みが続く場合は、皮膚の病気が隠れていることもあるため、皮膚科で確認してください。洗髪では爪を立てず、指の腹で洗い、すすぎを十分に行います。

喫煙は、薄毛の進行との関連が報告されている要因です。睡眠時間と生活リズムを整えること、たんぱく質や鉄、亜鉛を食事から不足なく摂ることも、毛をつくる細胞の活動を支えます。頭皮をやさしく揉みほぐす習慣については、少人数を対象にした研究で、毛の太さが増えたという報告があります。大きな効果を期待するものではありませんが、頭皮の硬さをほぐす手段として取り入れやすい方法です。

Re-Aneでは、毛の太さのばらつきと分布、頭皮の硬さと動き、頸部と肩の緊張、睡眠や生活リズムを確認します。そのうえで、頭皮への刺鍼を中心とした育毛鍼によって、頭皮の血流の改善と、緊張の強い筋の過剰な興奮を鎮めることを目指します。鍼灸でDHTの作用を止めることはできません。医療機関での治療が必要な方には受診を優先していただき、治療と並行して頭皮の環境を整える役割を担っています。

次の場合は、まず皮膚科を受診してください。円形に抜けた部分がある、短期間に束で抜ける、頭皮に赤みや痛み、ただれがある、毛が抜けた部分の皮膚がつるつるになっている。倦怠感や体重の変化を伴う場合は、甲状腺などの内科的な原因の確認も必要です。

品川区上大崎、目黒駅から徒歩4分のRe-Aneでは、火曜と水曜に育毛専門スタッフが育毛鍼灸を担当しています。目黒駅や品川区で育毛鍼灸を検討している方、毛が細くなってきたと感じ始めた方は、ご相談ください。

毛包の環境を頭皮の血流から整えたい方へ

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■ この記事を書いた人

榎園 高一郎(えのきぞの こういちろう)
鍼灸整体院 Re-Ane 院長

【国家資格】
鍼灸師/あん摩マッサージ指圧師

【関連資格】
JCR登録カイロプラクター/NESTA-PFT/登録販売者/毛髪診断士

歯科法人が運営する鍼灸マッサージ院で歯科医師と連携し、顎関節症と食いしばりを多数担当。訪問マッサージや姿勢矯正専門院での臨床を経てRe-Aneを開院。自身も長年の腰痛に悩んだ経験から、痛みは患部だけの問題ではないという考えに至る。

現在は顎関節症と食いしばり、慢性腰痛、坐骨神経痛、発毛促進を目的とした育毛施術を専門としている。

鍼灸整体院 Re-Ane
東京都品川区上大崎2-18-25 目黒三田フラワーマンション604
目黒駅から徒歩4分/完全予約制

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