本数は数えられるほど増えていないのに、印象が変わる

髪のボリュームを決めているのは、本数よりも1本の太さです。

育毛の経過を追っていると、不思議な順序で変化が現れることがあります。抜け毛の量は以前と大きく変わらない。数えられるほど本数が増えたわけでもない。それでも、鏡に映る印象が変わってくる。ドライヤーの後に立ち上がるようになった、分け目が目立たなくなった、帽子を脱いだあとの戻りが早くなった。

目黒の当院でも、ご本人より先に周囲の方が気づくというケースをよく伺います。本人は毎日見ているので変化に鈍く、久しぶりに会った人のほうが分かる。

この現象には理由があります。見た目のボリュームに効いているのは本数ではなく、1本の断面積と硬さだからです。

太さが1.4倍になると、断面積は約2倍、曲げにくさは約4倍

日本人の毛髪の直径は0.08ミリ前後が目安とされ、細くなった毛では0.05ミリ前後になることもあります。仮に0.05ミリの毛が0.07ミリまで回復したとすると、直径は1.4倍です。ところが断面積は1.4の2乗で、およそ2倍になります。

同じ本数でも、毛が占める体積がおよそ2倍になる。これが、本数が増えていないのに印象が変わる理由の一つめです。

もう一つは硬さです。棒を曲げにくくする性質は、直径の4乗に比例します。1.4倍の太さになると、曲げにくさは1.4の4乗で、およそ4倍になります。

細い毛は自分の重さで倒れます。頭皮に沿って寝てしまうので、下の地肌が透けて見えます。太さが戻ると、毛は自力で立ち上がるようになります。同じ本数でも、寝ている毛と立っている毛では、地肌の見え方がまったく違います。

つまり、根元が太くなることで起きているのは、かさが増えることと、立ち上がる力が戻ることの二つです。数字の上では直径の2割から4割の変化にすぎないものが、見た目では大きな差になって現れます。

逆の方向も同じ計算が当てはまります。太さが少し細くなるだけで、断面積と硬さは大きく失われます。薄毛が「気づいたときには進んでいた」と感じられやすいのは、この関係によるところがあります。

毛包に届く手段が限られている理由

では、太さを左右している場所はどこにあるか。頭皮の内側にある毛包の毛球部です。ここで毛がつくられているため、太さを変えたいなら、ここに働きかける必要があります。

そして、ここが最大の制約になります。毛球部は皮膚の深い層にあり、外から何かを塗って届かせるのは簡単ではありません。

皮膚の表面には角層という層があります。厚さは0.02ミリほどしかありませんが、外部からの物質の侵入を防ぐ役割を担っており、塗ったものの大半はここで止まります。通過しやすいのは、分子が小さく、油に溶けやすい性質を持つものに限られます。成長因子のようなタンパク質は分子として大きく、そのままでは通りにくい部類に入ります。

毛穴そのものを通る経路も存在します。実際、頭皮では毛穴が物質の通り道として一定の役割を果たしていることが知られています。ただし、頭皮の表面積のうち毛穴が占める割合はわずかで、それだけで十分な量が届くとは言えません。

整理すると、毛包に届く手段は限られています。

血流を通って内側から届く経路。これは食事や内服がこの経路を使います。分子が小さいものが角層を通る経路。外用薬の一部がここに入ります。物理的に経路をつくって届ける方法。そして、届く条件そのものを整えるという間接的な関わり方です。

逆に言えば、洗う、揉む、表面に塗る、という行為だけで毛球部の細胞の働きを変えるのは、構造上かなり難しいということになります。頭皮環境を保つ意味では有効ですが、太さを変える段階まで期待するのは無理があります。この点を知らないまま製品を変え続けて、時間だけが過ぎている方は少なくありません。

何を選ぶかの整理と、Re-Aneでの位置づけ

手段が限られているからこそ、何を使っているのかを把握しておく意味があります。

薄毛の背景がホルモンにある場合、内側から届く経路を使う対応が中心になります。これは医療の領域で、皮膚科などでの相談が適しています。急に円形の脱毛が現れた、短期間で広い範囲の抜け毛が進んだ、頭皮に強い痛みや発疹があるという場合も、まず皮膚科での確認を優先してください。背景によって取るべき対応が変わります。

当院が扱っているのは、物理的に経路をつくる方法と、届く条件を整える方法の二つです。

マイクロニードルで頭皮に微細な経路をつくり、幹細胞培養上清液を超微細な高圧噴射で導入します。針で開いた経路と、圧による押し込みを組み合わせることで、角層で止まる量を減らすことが目的です。使用しているのは、医療機関に卸されているものと製造元も中身も同一の製品です。

あわせて、頭皮鍼と首肩への鍼、あん摩を行います。毛包が毛をつくるとき、必要な材料は血液から届きます。頭部を養う血管は頸部を通って上がってくるため、首肩の緊張が強い状態では供給の条件が整いにくくなります。眠りが浅い日が続くことも同じです。

経路をつくる工程と、材料が届く条件。この両方を扱う必要があると考えています。どちらか一方では成立しにくい部分です。

なお、太さの変化には時間がかかります。すでに頭皮の外へ出ている部分は後から太くなりませんが、毛球部でこれから作られる根元側は変わりえます。条件が良くなれば、その時点から作られる部分が太くなり、毛先が細く根元が太い毛として現れます。毛包そのものの回復には生え変わりを複数回挟むため、しっかりした太さに近づくまでには1年から2年を見ておく必要があります。

数字の上ではわずかな太さの差が、見た目では大きく効いてくる。その性質を知っておくと、待つ時期の判断がしやすくなります。鍼灸整体院 Re-Aneは目黒駅から徒歩4分、完全予約制です。育毛施術については、火曜と水曜に専門スタッフが対応しています。

発毛促進を目的とした育毛施術について、詳しくはこちらをご覧ください。

育毛鍼(薄毛・髪質改善)

首や肩のこりが慢性化している方は、こちらも参考になります。

首こり・首の痛み

眠りが浅い日が続いている方はこちらをご覧ください。

不眠症

疲れが抜けにくい状態が続いている方はこちらをご覧ください。

自律神経の乱れ

実際に通われた方の経過は、改善事例のページに掲載しています。

お客様の声

■ この記事を書いた人

榎園 高一郎
鍼灸整体院 Re-Ane 院長

【国家資格】
はり師/きゅう師/あん摩マッサージ指圧師

【関連資格】
JCR登録カイロプラクター/NESTA-PFT/医薬品登録販売者/毛髪診断士

鍼灸・整体の臨床に20年間携わり、歯科医師との連携による顎関節症・食いしばりへの施術、訪問マッサージ、姿勢・動作改善などを経験。現在は顎関節症、慢性腰痛、坐骨神経痛、発毛促進を目的とした育毛施術を中心に行っている。

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院長紹介


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