
膝の痛みの背景に、すねの骨のねじれが隠れていることがあります。
階段を下りるとき、膝の内側がずきっとする。正座をすると、膝の内側から前にかけて張る。しゃがみ込むと痛むので、最近は避けている。マッサージや電気治療を受けると楽になるものの、しばらくすると戻る。
目黒の当院でも、この経過をたどってきた方からご相談をいただきます。膝が痛いので膝を施術してもらう。当然の流れです。ただ、それで変わらない場合、痛む場所とは別のところで条件が崩れている可能性があります。
一度、椅子に座って膝を直角に曲げ、足を床に置いてみてください。膝のお皿が正面を向いているとき、つま先はどちらを向いているか。お皿よりも明らかに外を向いているなら、すねの骨が外へねじれている状態かもしれません。

膝関節は、蝶番のように曲げ伸ばしだけをする関節だと思われがちです。実際には、曲げ伸ばしに合わせて、すねの骨がわずかに回旋しています。
膝を伸ばしきる最後の瞬間、すねの骨は太ももの骨に対して外側へねじれ、関節が固く締まります。この仕組みによって、立っているときに筋をあまり使わなくても膝が安定します。反対に、膝を曲げ始めるときには、すねの骨が内側へ戻ってロックが外れます。これが正常な動きです。
下腿の過外旋とは、このねじれが外側に寄ったまま戻らない状態を指します。膝を曲げても、すねの骨が内側へ戻りきらない。立っていても、座っていても、太ももに対してすねが外を向いたままになります。
すねの骨をねじる力は、膝の周りの筋のバランスで決まります。
外側へねじる方向に働くのは、太ももの裏の外側を通る大腿二頭筋と、太ももの外側を走る腸脛靭帯です。内側へねじる方向に働くのは、膝の裏の奥にある膝窩筋と、太ももの裏の内側を通る筋群です。膝の内側で三つの筋が集まる鵞足と呼ばれる部位も、この内側の働きに関わっています。
外側が緊張して、内側がうまく働かない。この組み合わせが続くと、すねの骨は外へ引かれたまま定着していくと考えられます。
そうなると、膝のお皿は外側へ引かれやすくなり、お皿の裏の関節面にかかる圧が偏ります。膝の前面の痛みとして現れることがあります。同時に、内側の筋が付着する鵞足の部分には、引き伸ばされる負担がかかり続けます。階段や正座で膝の内側が痛む背景に、この構図が関わっている場合があります。

ここで多くの方が見落とすのが、ねじれを生んでいる場所です。
膝は、股関節と足首の間に挟まれた関節です。上からも下からも、ねじれの影響を受けます。
上からの影響として多いのが、太ももの骨の内側へのねじれです。股関節を安定させる臀部の筋が働きにくいと、立ったり歩いたりするたびに太ももの骨が内側へ入ります。このとき、膝から下はつま先を正面に保とうとして、相対的に外側へ逃げます。膝が内側へ入り、つま先が外を向く。この形が繰り返されると、膝の部分でねじれが最大になります。
下からの影響もあります。つま先を外に向けて歩く癖がある方は、着地のたびにすねの骨を外へねじる方向の力を受け続けます。足元の接地が崩れていれば、その上に乗る膝の向きも変わります。
つまり、膝そのものは被害を受けている側であることが多い。膝の周りをほぐしても、股関節が内へ入り、足が外を向いたまま歩いていれば、翌日にはまた同じねじれがつくられます。
もう一つ、よくある落とし穴があります。膝を強くしようとして、スクワットを始める方がいます。筋力をつけること自体は悪くありません。ただ、膝が内に入り、つま先が外を向いた形のまま負荷をかけると、ねじれた状態を強化することになります。形を整えないまま回数だけを重ねると、痛みが増すことがあります。

まず、自分のねじれを確認してください。
椅子に座り、膝を直角に曲げて足を床に置きます。膝のお皿の向きと、つま先の向きを比べます。お皿が正面を向いているのに、つま先が明らかに外を向いているなら、すねの骨が外へねじれている可能性があります。
次に、立った状態で確認します。鏡の前に立ち、両膝のお皿を正面に向けてください。そのとき、つま先が外を向くかどうか。左右で差がないかも見ます。
歩き方も手がかりになります。靴底の外側のかかとだけが減っている、つま先を外に向けて歩いていると言われたことがある。こうした点も確認してください。
日常では、立つときと歩くときに、つま先とお皿の向きを揃える意識を持つだけで、膝にかかるねじれは変わります。片足に体重を乗せて膝を内に入れる立ち方を避ける。しゃがむときは、膝とつま先が同じ方向を向いているかを確かめる。
鍼灸整体院 Re-Aneでは、膝の痛みのご相談に対して膝だけを確認することはありません。すねの骨のねじれの程度、膝の外側と内側の筋の緊張の差、股関節がどの方向に動きにくいか、臀部の筋が働いているか、足部の接地に偏りがないか、歩行で膝が内へ入っていないか。こうした点を確認したうえで、施術の組み立てを決めます。
膝の周りの緊張をゆるめること自体は、その場で起こります。それが続くかどうかは、股関節と足元の条件が変わったかどうかで決まると考えています。
なお、膝が腫れて熱を持っている、転倒や強くひねったあとから痛みが続いている、膝が途中で引っかかって伸びなくなる、急に膝が崩れるように力が抜ける、安静にしていても強く痛む、発熱を伴う。こうした場合は、施術ではなく整形外科での確認を優先してください。画像を含む評価が必要な状態が含まれます。
膝をほぐしても戻るという経験が続いているなら、ねじれの原因が膝の外にある可能性があります。鍼灸整体院 Re-Aneは目黒駅から徒歩4分、完全予約制です。
膝の痛みについて詳しくはこちらをご覧ください。
股関節に違和感がある方はこちらをご覧ください。
姿勢そのものを整えたい方はこちらをご覧ください。
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■ この記事を書いた人
榎園 高一郎(えのきぞの こういちろう)
鍼灸整体院 Re-Ane 院長
【国家資格】
鍼灸師/あん摩マッサージ指圧師
【関連資格】
JCR登録カイロプラクター/NESTA-PFT/登録販売者/毛髪診断士
歯科法人が運営する鍼灸マッサージ院で歯科医師と連携し、顎関節症と食いしばりを多数担当。訪問マッサージや姿勢矯正専門院での臨床を経てRe-Aneを開院。自身も長年の腰痛に悩んだ経験から、痛みは患部だけの問題ではないという考えに至る。
現在は顎関節症と食いしばり、慢性腰痛、坐骨神経痛、発毛促進を目的とした育毛施術を専門としている。
鍼灸整体院 Re-Ane
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