
腰痛や膝の痛みで来院された方の足元を確認すると、指が床に接していないことがあります。
立った状態で足の指の下に紙を差し込むと、抵抗なく通ってしまう。指を開こうとしても動かない。じゃんけんのグーの形をつくろうとしても、指の付け根から曲がるだけで先が丸まらない。こうした状態を浮き趾と呼びます。
本人に自覚はほとんどありません。痛むのは腰や膝であって、足ではないためです。目黒の当院にお越しになる方も、足元を確認しますと言うと驚かれることがあります。
ただ、身体を支える一番下の面が崩れていれば、その上に積み上がっているものすべてに影響します。足指が使えていない状態は、単なる見た目の問題では終わりません。

足の筋肉は、大きく二つに分かれます。
すねやふくらはぎから伸びてきて足に付着するものを外在筋、足の中だけで完結しているものを内在筋と呼びます。母趾外転筋、短趾屈筋、虫様筋、骨間筋といった、足底に層をなして並ぶ小さな筋群が内在筋です。
内在筋の役割は、大きな力を出すことではありません。足のアーチを内側から支え、接地したときの衝撃を分散させ、体重が前へ移る間ずっと足部の形を保ち続けることです。建物でいえば基礎の鉄筋にあたる部分で、目立たない代わりに、なければ全体が崩れます。
歩行のときの働きを見ると分かりやすくなります。踵が地面に着き、体重が足の裏を通って前へ移り、最後に母趾で地面を押して離れる。この最後の場面で母趾の付け根が反ることによって足底腱膜が巻き上がり、アーチが引き締まって足が硬いてこに変わります。この仕組みが働くことで、効率よく前へ進めます。
足指が床を捉えられていないと、この一連の流れが成立しません。押し出す力を足以外の場所で補うことになり、負担のかかる場所が変わっていきます。

痛む場所と原因のある場所が離れているのは、この領域では珍しいことではありません。
内在筋の支えが弱く、接地のたびにアーチが落ち込むと、足首から下は内側へ倒れ込む方向に動きます。この動きは脛骨の内側への回旋を伴い、その上にある膝関節には、内側へ入り込むようなストレスがかかります。膝の内側の痛みや、膝の前面の違和感として現れることがあります。
さらに上へ進むと、大腿骨も内側へ回旋しやすくなります。この肢位では股関節を安定させる臀部の筋が働きにくく、代わりに骨盤が前後に傾いて姿勢を保とうとします。骨盤の傾きが変われば、腰椎にかかる負担の分布も変わります。
これらのつながりは、解剖学的にはよく知られたものですが、すべての人に同じ順序で起こるわけではありません。足元の状態だけで腰痛が説明できるということもありません。ただ、腰や膝の施術を続けても戻ってしまう場合に、確認していない場所として足部が残っていることは少なくありません。
Re-Aneでは、腰痛や膝の痛みのご相談に対して、痛む部位だけを確認することはしません。立位でのアーチの状態、足指が床に接しているか、片脚で立ったときに足部がどう動くか、歩いているときに体重がどこを通っているか。こうした点を含めて確認したうえで、施術の組み立てを決めています。

まず、今の状態を確かめてください。裸足で立ち、次の点を見ます。
・足の指の下に紙が入るか。抵抗なく通れば、指は床を捉えていません
・足の指を扇のように開けるか。母趾と小趾だけでも動けば十分です
・片脚で立ったとき、10秒ほど大きくぐらつかずに保てるか
・靴底の減り方が、左右で大きく違っていないか
改善に向けて有効なのは、足指を強く握り込む運動ではありません。内在筋を働かせるには、指を曲げずにアーチだけを引き上げる動きが適しています。椅子に座り、足を床につけたまま、指を丸めずに母趾の付け根と踵を近づけるようにして、足の裏のアーチを軽く持ち上げる。数秒保って戻す。これを繰り返します。最初は動かし方が分からないことも多いので、指が曲がっていないかを見ながら行ってください。
あわせて、足指を一本ずつ手で広げる、家の中では靴下を脱いで過ごす時間をつくる、といったことも役立ちます。靴を選ぶ際は、つま先の幅に余裕があり、踵の部分がしっかりしているものを選んでください。指が押し込まれた状態が一日中続く環境では、動かす練習の効果が相殺されます。
なお、足のしびれや感覚の鈍さを伴う場合、短期間で足の形が変わってきた場合、安静にしていても痛む場合は、神経や血流に関わる問題が隠れていることがあります。この場合は整形外科など医療機関での確認を優先してください。
腰や膝の施術を受けても数日で戻ってしまう。その繰り返しが続いているなら、まだ確認していない場所が残っている可能性があります。鍼灸整体院 Re-Aneは目黒駅から徒歩4分、完全予約制です。
腰の痛みが続いている方は、こちらをご覧ください。
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膝の痛みが気になる方はこちらをご覧ください。
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実際に通われた方の経過は、改善事例のページに掲載しています。