どこに通っても、顎の痛みが戻ってくる理由

長引く顎の痛みの多くは、痛む場所と、痛みを生み続けている原因が離れたところにあります。

食事の途中で顎の付け根が痛くなる。朝起きると頬がこわばっている。あくびをしようとすると引っかかって口が開かない。最初は歯の問題だと思い、歯科でマウスピースを作った。口腔外科で画像検査を受け、関節に大きな異常はないと言われた。それでも痛みが続くので、鍼灸院や整体院で顎まわりをほぐしてもらった。その日は楽になるのに、数日たつと元に戻ってしまう。

当院に顎の痛みで来られる方には、こうした経緯をたどってきた方が少なくありません。どこへ行っても変わらない経験が重なると、もう良くならないのではと感じるのは自然なことです。

顎の痛みでよく使われる顎関節症(がくかんせつしょう)という言葉は、顎の関節が壊れている状態だけを指すものではありません。顎を動かす筋肉の痛み、関節の痛み、関節の中にあるクッションのずれ、関節の骨の変形をまとめた呼び名です。このうち最も多いのは、顎を動かす筋肉の疲れと緊張による痛みです。画像検査で関節に大きな異常がなかった方の痛みは、筋肉の側から起きている可能性が高いと考えられます。

顎の痛みでよく見られる原因と、痛む場所が離れる仕組み

顎の筋肉を休ませない原因として多いのは、日中の歯の接触、頭の位置、頸部(首)の緊張、睡眠中の噛み締めの4つで、これらは重なって起こります。

顎の痛みに関わる中心の筋肉は二つです。頬の横にあり、奥歯を噛み締めると硬く盛り上がる咬筋(こうきん)と、こめかみに扇のように広がる側頭筋(そくとうきん)です。どちらも口を閉じて噛む力を生み出しています。休む時間が足りなくなると、顎の付け根や頬、こめかみに加えて、歯や耳のあたりにまで痛みを感じさせることがあります。歯科で歯に異常がないのに歯が痛む方がいるのは、このためです。

原因として最も多いのは、日中に上下の歯を触れさせ続ける癖です。強く噛み締めていなくても、歯が軽く触れているだけで咬筋と側頭筋は働き続けます。食事や会話を含めても、上下の歯が触れている時間は1日に合計20分前後とされています。パソコンやスマートフォンに集中している間ずっと歯が触れている方では、この時間が何倍にも増えます。歯科ではこの癖をTCH(上下の歯を接触させ続ける癖)と呼んでいます。

次に多いのが頭の位置です。横から見て頭が肩より前に出た姿勢が続くと、下顎(したあご)は後ろへ引かれます。口を閉じておくために顎の筋肉がより多く働く状態になり、休む時間が減ると考えられます。

3つ目は頸部の緊張です。首の上部の感覚と、顎や顔の感覚は、脳に届く手前の同じ中継点に集まっています。そのため首の筋肉の緊張が、顎や顔の痛みとして感じられることがあります。顎だけを触っても変わりにくい痛みの一部は、ここから来ていると考えられます。

4つ目は、睡眠中の噛み締めや歯ぎしりです。仕事や生活での緊張状態が続くと強まりやすく、朝起きたときの顎のだるさや、こめかみの疲れとして表れます。

これまでの治療で変わらなかったのは、届いていない部分があったから

歯科や鍼灸、整体で変わらなかったのは治療が間違っていたからではなく、痛みを繰り返す日常の動作に、誰も手をつけていなかったからだと考えられます。

マウスピースは、睡眠中の噛み締めや歯ぎしりから歯と顎関節を守る役割があり、必要な方も多くいます。ただ、使うのは主に夜です。日中に何時間も歯を触れさせている癖には届きません。

顎まわりをほぐす施術にも、硬くなった咬筋や側頭筋をゆるめ、痛みを和らげる意味があります。けれども施術の翌日から、また歯を触れさせ、頭を前に出した姿勢で1日を過ごせば、筋肉は再び疲れていきます。楽になったのに数日で戻る、という経験はここから生まれます。

顎の痛みを止めるには、顎を治療することと、顎を疲れさせ続けている動作を変えることの両方が必要です。

次の4つを確認してみてください。

今この瞬間、上下の歯が触れていないか
口を大きく開けたとき、人差し指から薬指までの指3本が縦に入るか
横から鏡で見たとき、耳の穴より頭が前に出ていないか
朝起きたとき、顎のだるさやこめかみの疲れがないか

1つ目で歯が触れていた方は、日中の歯の接触が痛みに関わっている可能性があります。2つ目で指が2本しか入らない場合は、顎の筋肉の緊張か、関節の動きに制限が出ています。3つ目は頭の位置、4つ目は睡眠中の噛み締めの手がかりです。当てはまる項目が多いほど、原因が顎の外側にも広がっていると考えられます。

顎の痛みを繰り返さないための予防と、Re-Aneの確認と施術

予防の中心は、顎の筋肉が休める時間を、日中の生活の中に取り戻すことです。

口を閉じていても、上下の歯はわずかに離れているのが本来の楽な状態です。唇は軽く閉じ、歯と歯の間には少しすき間があり、舌の先は上の前歯の裏の少し後ろに触れている。この位置を一度覚えてください。パソコンの画面の端やスマートフォンの待ち受けに小さな目印を付け、目に入るたびに歯が触れていないかを確かめる方法は、癖に気づくきっかけとして取り入れやすいものです。

画面を目の高さに近づけて頭が前に出にくい環境をつくる、片側ばかりで噛む癖や頬杖を避ける、硬い食べ物やガムを長時間噛み続けない。こうした工夫も顎の負担を減らします。入浴で首と肩を温め、睡眠の時間を確保することは、夜の噛み締めを和らげる土台になります。

院長は歯科法人が運営する鍼灸マッサージ院で、歯科医師と連携しながら顎関節症と食いしばりを多数担当してきました。

Re-Aneでは初回に、口の開く幅と開くときの顎の動き方、咬筋と側頭筋の緊張、頸部の状態、頭の位置、呼吸の深さ、そして日常のどの場面で歯を触れさせているかを確認します。そのうえで、鍼で咬筋や側頭筋の血流を改善し、痛みを伝える神経の過剰な興奮を鎮めます。整体では頭と首の位置を整え、顎の筋肉が休める姿勢へ戻していきます。目黒駅から徒歩4分の当院では、鍼灸と整体のどちらも一人の施術者が状態に合わせて選べるため、顎と首と姿勢を切り離さずに扱えます。

日中の動作を変えても痛みが減らない場合は、緊張状態の続き方や睡眠の影響が強いと判断し、鍼と呼吸が深くなる施術を中心に切り替えます。どちらに働きかけても変化がない場合は、歯科や口腔外科での再確認をおすすめしています。当院の施術ですべての顎の痛みが改善するわけではないため、この判断の切り替えを大事にしています。

次の場合は、施術より先に医療機関を受診してください。口が急にほとんど開かなくなった、顎や頬が腫れて熱を持っている、特定の歯が噛むたびに痛む、顔にしびれがある、転倒や事故のあとに痛みが出た。50歳以上でこめかみの痛みと、噛んでいるうちに顎がだるくなる症状が新たに出た場合も、早めの受診が必要です。顎の痛みが胸の圧迫感や息苦しさとともに現れた場合は、すぐに救急を受診してください。

品川区上大崎、目黒駅から徒歩4分のRe-Aneでは、品川・目黒エリアで顎の痛みや食いしばりに長く悩んできた方のご相談をお受けしています。歯科でも鍼灸や整体でも変わらなかった方こそ、これまでと違う角度からの確認を受けてみてください。

■ この記事を書いた人

榎園 高一郎(えのきぞの こういちろう)
鍼灸整体院 Re-Ane 院長

【国家資格】
鍼灸師/あん摩マッサージ指圧師

【関連資格】
JCR登録カイロプラクター/NESTA-PFT/登録販売者/毛髪診断士

歯科法人が運営する鍼灸マッサージ院で歯科医師と連携し、顎関節症と食いしばりを多数担当。訪問マッサージや姿勢矯正専門院での臨床を経てRe-Aneを開院。自身も長年の腰痛に悩んだ経験から、痛みは患部だけの問題ではないという考えに至る。

現在は顎関節症と食いしばり、慢性腰痛、坐骨神経痛、発毛促進を目的とした育毛施術を専門としている。

鍼灸整体院 Re-Ane
東京都品川区上大崎2-18-25 目黒三田フラワーマンション604
目黒駅から徒歩4分/完全予約制


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